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共に不思議な力を持つ者、その内一人は『僕は』という言い方で失敗作を限定していた。 失敗作がいて、それは限定されたフィールという男一人。 ならば、隣に居た男は成功作なのだろうか? セフィロスコピー。 答えの出ないこの言葉こそが、あの不思議な力の正体なのだろうか。 コピーであるというのなら、大元であるセフィロスとは一体、なんなのであろうか。 謎ばかりだ。 セフィロスという言葉にセフィロト、セフィラーと言う言葉が思い浮かぶ。 似ているが、同一であるとは思えない。 セフィロト、セフィラーは、宗教における概念だ。 神へ至る道の。 バカな。 俺は首を振ってその思考を振り払った。 「シャル。ガーデンの目的とやらを調べてくれ。俺達のことを詳しく知っていたのも気になる」 人のコートのセンスを悪いと言い切っていたあの男。 あの調子では、念能力をすら知っていた可能性もある。 あの男が知るということは、傍にいたSeed部隊長の男も知るところであり、ガーデンという存在そのものが俺達のことを知っている可能性が高い。 そして、フェイタンの不意打ちを止めたあの男の実力。 多少遊んでいたとはいえ、ヒソカとマチ、シャルとフェイタンの追撃をかわして天井に張り付いたあの男の力。 針を飛ばした緑の何か――あれをサボテンだとは認めたくないな。 それと最後に呼び出した竜のような、獣。 面白い。 興味を引く事ばかりだ。 マチが唇の端を震わせながら言う。 「ヒ、ヒソカ。あんたカレーが意外と似合うじゃないか」 「ヒドイね? マチ」 「ははははっ、はははっ!!」 ウヴォーギンが腹を抱えて笑い出せば、耳を抑えたシャルナークが文句をいう。 「ウヴォー、抑えてよ。鼓膜が割れるって」 起こった事は奇妙な事だ。 だが、彼等の実力に裏打ちされた自信が、事を長く深刻にさせない。そのうえにカレーは間抜けすぎた。 ヒソカが顔にかかったカレーを腕で拭う。 とりあえず手近な不快感を解消したかったのだが、残りはシャワーでも浴びなければどうしようもない。 「まったく、なんだったんだろうネ◇」 「ヒソカ、あんたそのままシャワー浴びに行くんじゃないよ? 排水溝が詰まるからね」 「マチは僕の心配をしてくれないのかい?」 「あんたなんかそのカレーに毒が盛られていても死にゃしないだろ?」 俺はカレーに塗れたコートをちらりと見やる。 気に入りだったんだが。 べっとりと髪にこびり付くカレーを搾り落として俺は言った。 「今日の襲撃は止めだ」 興醒めもいい所だ。 それに、もっと楽しそうなオモチャを、見つけたしな。 |