お前の母親についてだ。




『………あ――、一つ言い忘れたぜ。お前の母親についてだ』

 ドキン、とゴンの心臓が跳ねた。

『知りたければこのまま聞いてくれ。別にいいなら、ここで止めてくれ』

 止めようと、伸ばす腕が震える。
 自分の母親はミトさんだけだ。
 でも。

『――――――わかった。話すぞ』

 猶予は十分にあった。
 それでも押せなかった、ゴン。

 知りたかった。
 自分が追いかけ続ける一人の男が、どんな女性を好きになって自分が生まれたのか。

『お前の母親は――』

 こくり、と喉が鳴った。

















『俺だ』











「はぁ!」

 キルアが素っ頓狂な声を上げた。

『期待させちまったなら悪かったな。お前に母親はいねぇ。正真正銘、俺が生んだ』

「え、え? ええーー!」

 とんでもない言葉に目を白黒させるゴン。

『テープと一緒に入っていた指輪が有るだろう。それを使う念使い専用のゲームがある。その中に――身重の石、つーアイテムがあってな。それを肌身離さず一ヶ月持ち続けると男でも女でも妊娠できる』

「う、うそだろ!」

『試しに使ってみたらこれがまた見事にご懐妊、って訳だ』

「……そんな」

『せっかく出来た命なのに下ろすっていうのもかわいそうだから産んだんだが』

「そんな……」

『と言うわけだ。期待させたならすま』

 ブチ

 と。

 でてきた謝罪の言葉に、気がつけばゴンはテープの停止ボタンを押していた。










 言葉も無いように放心するゴンに、キルアが言う。

「単体生殖するなんて、アメーバみたいな奴だな、お前の父親って」









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