死んだ覚えはないけれど……
気が付いたら、クラピカになっていました。
なんて。
冗談じゃないよね?
民族衣装の模様とか、割れた鏡に写った姿とか。
結構すぐに気がつけた。
しかし相手はいくら美形とはいえ男!
私は女!!
どうしろっていうのさ……。グリードアイランドに行ってホルモンクッキーでも食べろと?
それにさ、幻影旅団への復讐とかも。
私、クラピカみたいに思えないし。
とりあえず、無事に生きのびれたら目玉集めて弔いぐらいしてあげようかなぁって、思わなくはないけど。
復讐までは思えない。
私はクルタではないし、もちろんクルタを愛してもいなかった。
それになにより、時間軸的には今、クラピカが死んだ村人達の埋葬を終えたばかりのころらしい。
整然と並べられた土饅頭。
背後に広がるのはおそらく焼けた村。
死体もないし、雨が降ったみたいで臭いも殆どない。既に現実味もなし。
だいたい、このこはまだ十二歳? かな。
ぺたぺたと未熟な体を触って見る。
うん。私、22歳だし。
女だし!!
旅団に喧嘩売って命粗末にする気もないし。
ヨークシン編、どうなるんだろうなぁ、って思ってボーっとしてたら、日が暮れた。
むしろ途方にくれていたのほうが近いかな。
翌日、難しい事を考えるのはやめた。
きっと四人で駄弁ってそのままグリードアイランドに行くパターン。
いっそのこと天空闘技場も一緒でいい。
って、私、もうキルアやゴンと同じ試験に行くこと決めてるの? うわ。
布団ないし、地面に大の字になって寝てたら風邪ひいたっぽいし。
最悪。
危ない獣がいなかったことには深く感謝しよう。
クラピカはともかく、私に格闘の経験はない。
ま、クラピーの体は年のわりには鍛えられているようだったが。
ま、基礎があるから何とかなる(他人の横取りだけど)
脳みそ若いから物覚えもいいはず!(本編アレだけ博識だったし)
本物のクラピーはどうしたんだろうなぁ、とか思ったけど、とりあえず今は生きる事にした。
もしかしたら、同族の埋葬を追えた後、絶望して気を失ったきり目覚めませんでした系のパラレルワールドかなぁ、とか。
とりあえずおなかの減った私は、消えたクルタの村を後にしたのだった。
――完――
なんてうそ。
とりあえず焼けた村を家捜ししました。
生きるためには力が必要。
たとえばそれは、マネーと言う力だったりも。
排他的な村だったのは何となく予想がつく。
偶然とおりがかった誰かさんに拾われて〜、なんて展開も、正直期待できない。
戻ってくるとはぜんっぜん思ってないけど、もしまかり間違って旅団の皆さんが戻ってきたらやだし。
さっさと出て行きたいんだけど。墓荒らししているような罪悪感もあるし。
彼らホントーに目だけが目的だったようで、焼けた金庫ぶったたいたり、地下倉庫の中からへそくり見つけたりしていたら結構生きていけそうな気がしてきました。
保存食料とか、結構あったし。
えーっと、顔も見たこともないクラピカのおとーさん、おかーさん、とりあえず、さようなら。
あなた達の息子じゃなくなりましたけど、いつか身重の石でも使って子供が出来たら孫を見せに来ます。
地図とかなんもかも燃えちゃって、どっちに行っていいのか分らなかったので、棒倒しをしました。
えっと、太陽の位置から何となく測ると、南? かな。
とりあえず、やっとの思いで見つけた煤ボケたリュックやバックにありったけの保存食料や貴重品を詰め込んで歩き出しました。
あんまりサバイバルの知識ないけど。
森を抜けられるかどうかが勝負だと思う。
クラピカが死体に触れていたせいだとも思うけど、わたしなんだか臭いし。
クラピーのお父様お母様、どうか無事に生き残れるように祈っていてください。マル
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